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変形性膝関節症に対するリハビリテーション

変形性膝関節症について ※1

 

変形性膝関節症の主な症状は、膝の痛みや膝に水がたまることです。
関節軟骨の老化や外傷・肥満・素因(遺伝子)などが原因と考えられています。
関節軟骨が年齢とともに摩耗し、関節が変形してしまいます。

 

 

変形性膝関節症の症状分類 ※1

 

(※画像をクリックで拡大)

 

初期立ち上がりや歩きはじめなどの動作開始時の痛み
中期歩行時痛があるが、休息で痛みが消失することが多い
正座や階段動作が困難になりやすい
末期安静時からの膝の痛みがあることが多い
変形が著明となり、歩行など日常生活が不自由になる
変形性膝関節症
正常膝

 

これらの症状の軽減または改善のためにストレッチなどのセルフケアや筋力トレーニングや有酸素運動などの運動療法が有効とされています。※2

 

 

その1:セルフケア・ストレッチ 編 

 

【 目的 】柔軟性を高め、膝の動きをよくしていきましょう。

 

【 回数の目安 】ストレッチは10秒間保持を10回以上は行いましょう。

 

 

 

その2:エクササイズ 編 

 

【 目的 】脚全体の筋力を鍛え、膝を支えられるようにしましょう。

 

【 回数の目安 】エクササイズは10回以上を3セットは行いましょう。

 

 

 

 

 

その3:その他のアドバイス 

 

@有酸素運動

 

(1) ウォーキング(3) エルゴメーター(固定式自転車)
(2) 水中ウォーク(4) 体操(ヨガなど)

 

 膝の健康を保つために、膝の痛みがない時も、ウォーキングや水中ウォーク、エルゴメーター(固定式自転車)や体操などを行いましょう。 これらの運動は膝関節の動き、歩くときのスピードや持久力の向上に有効といわれています。※2

 

A肥満の解消

 

 歩く場合、平地では体重の約3倍、階段の昇降では体重の約5倍の負荷が膝にかかるといわれています。※3 そのため、体重が増えると余計に膝に負担がかかることになります。 減量は、疼痛や身体機能、移動動作の改善が期待できるため、ご自身の体重が過剰にならないように日々の運動習慣や食事をみなおしてみましょう。※2

 

B膝が腫れている、熱感を持っている際の対処法

 

 膝が腫れている場合や、手の甲で左右の膝の温度を比べてみた際に痛みがある側の膝だけ温度が高い場合は、膝の炎症の可能性があります。その場合の対処法の1つとしてアイシングがあります。凍傷に注意しながら、冷やす時間は10分〜20分くらいです。※4

 

これらのセルフケアやエクササイズを継続し、習慣にしていきましょう。
しかし、痛みの強い時期の運動療法はかえって症状を悪化させる可能性があります。
そのため、痛みが強い場合は無理をせず、整形外科医に相談しましょう。

 

引用文献
 ※1)日本整形外科学会HP 変形性膝関節症

 ※2)日本理学療法協会   変形性膝関節症ガイドライン

 ※3)Walker PS:Design Criteria for Total Knee Replacement.
SURGERY OF the KNEE,Insall JN.Scott WN,3rded.
CHURCHILL LIVINGSTONE, New York,2001,p287-288.

 ※4)土屋明弘、佐藤謙次、小松絵梨子:アイシングの適応と注意点、
臨床スポーツ医学 Vol.32(5),PP484-487


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